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あけぼの色が実るとき




写真は、「銀座甘楽」の豆大福の函。眼にした瞬間、「あけぼの」の個人的な心象風景と呼応しました。

「あけぼの」という言葉を人生で最初に意識したのは、クラシックバレエ「コッペリア」の「あけぼのの精」だったように思います。
薔薇色と金色のグラデーションになったロングチュチュをまとって、夜が明けてゆくさまを表現する役どころ。パ・ド・ブレで徐々に染まりゆく空を、アントルシャ・カトルとサンクで早起きの小鳥たちを・・・と、パのひとつひとつで空気を目覚めさせてゆくような振り付けに憧れていました。
次に、小学校に入って買ってもらった、「日本のあけぼの」という、歴史漫画。国のかたちができつつあるようすが描かれていて、ほんとうに飛鳥の空に朝陽が昇るようだなーと思ったのを憶えています。
そして、小学校中学年ころに読み始めた、「枕草子」の「春はあけぼの。」。日本語の音とリズムを巧みに使えば大気の動きすらも紡ぐことができると知った、心の一冊(一節)です。その後、国語の授業でエッセイを書いたときに、添削した教育実習生の女の人が「あなたの文章は清少納言っぽい」とコメントしてくれて、感激しました。
その後、前述の「あけぼのの精」のソロを発表会で踊らせてもらえることになり、大感動。青→橙色に緩やかに転じてゆくライティングにもうっとりでした。
そうこうするうち、「眠れる森の美女」の古い翻訳を読んでいたら、「オーロラ姫」を「あけぼの姫」と書いてあって、「aurore」が北欧で見られるあの「オーロラ」ではなくて、「曙光」のことだと知りました。そういえばクラシックバレエでのオーロラ姫の衣装はピンク〜橙系が多いし、ソロの踊りには「コッペリア」の「あけぼのの精」に通じる動きが少なくありません。そうだったのね、と、胸のうちがゆるゆると明けてゆくような心地になりました。
そして大学生のころ、ゼミ合宿で、ひょんなことから先輩と2人で宿を抜けだして山のなかで話をしながら一夜を明かすことになり、初めて夜の終わりと朝の始まりを生で見た経験。四方の山の輪郭がじりじりと陽の色に縁取られてゆくさまや、空の緊張がほどけてゆくような夜明けの姿。話に夢中になって夜を明かすというこの大学生にもなって小学生のような体験自体、うっすら甘酸っぱいような雰囲気&白昼夢のようなつかみどころのなさ(2人とも眠気に負けかけていたので)に包まれていたため、「あけぼの」のイメージにその不思議な感触が加わりました。

そんな感じでじわじわ育ててきた、「あけぼの」のイメージ。その言葉を思うだけで、青紫色に薔薇色と金色がゆっくりと融け込んで、明るい光が花ひらいてゆく情景が眼前に広がります。

で、先日オープンした友人Mやんのウェブサイト「Le fruit de l'aurore 」
(ネーミングやデザインの経緯はこちら

彼女が日記に、私のことを嬉しい言葉で紹介してくれました。→こちら

実は、このご依頼を受けた直後、今まで貯め込んできた「あけぼの」のイメージがぱあっと広がったのです。明けゆく空の向こうから、あけぼの色に染まった果実をくわえた小鳥が楽しそうに、私の肩めがけて還ってくるのが見えました。
名前やデザインのアイデアはほとんど、その瞬間に浮かんでいたように思います。そして、MやんもほぼOKを出してくれたので、このうえなくスムーズに運んだ、楽しいお仕事でした。某洋菓子メーカー時代に苦楽をともにした経験と、蓄積されていたイメージとが、化学反応を起こしたのでしょう。

幼い頃からのひとつひとつの経験が、こんなふうに実ることもあるなんて。お仕事だけでなく、あらゆる人間活動はなべてこうしたものなのだと思いますが、こうして美しい果実が目に見えるかたちでなると、感慨もひとしおです☆


** | Art&Design | comments(2) | trackbacks(0)|


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コメント
サイトを見ました。素敵…、かわいい…、うっとり…。
ASCAが感じている世界を少し共有できた気がします。

「あけぼの」という言葉を聞いて、すぐさま相撲取りを思い出した私が、もしこのサイトを作ったたどんな出来栄えになったかと思うと、わくわくします(?)

しかし、私たちは二人ともお父さんは心配性を愛読していたはずなのに、どうして成長にこうも違いが出てしまうのかが分かりません。

分かりません。(再度)
08/27 by みわっち
>みわっち

いやいやいやいや。できることなら私の脳内の、色とりどりのキノコとどくだみの繁茂する畑を見せてさしあげたい。もしくは、ちびさんのウケを狙ってオリジナルの歌と踊りを激しく披露している現場を・・・ えと、私は昔となにも変わっていなくて、むしろ発酵が進んでいるかと思われます。
私の中では、あけぼの色が支配している世界もキノコ畑も、棲み分けはされてなくて、全部一緒にまざっていて、必要に応じてアウトプットの段階でしぼりこまれる感じなの。今回のお仕事を頼んでくれた彼女も、私のすっとこどっこいなところは十二分に承知していて(だってその職場にいたときの私、みんなに「いつも地上から5cm浮いてる」って言われていたもの)、でもチャンネルの合わせかたで切り替えできるところを信用して(おもしろがって?)頼んでくれたんだと思います。

みわっちだって、あの超美人プロデューサー☆の側面からは、菌糸のかけらも感じられませんぜ!
08/29 by Asca
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