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真夜中の板尾さん


大好きな服部一成さんの、緊迫感があって絶妙にギリギリなのに、風通しがよくて自由で、とにかく心地のよいデザインが炸裂している雑誌、「真夜中」
今号(No.12)もまた、すばらしかった!
川上未映子さんの小説の頁は、「アイスクリーム」というものに対する永遠の幻想(絶対に実体には届かない、むしろつきつめるほど遠ざかる)が紙のかたちをとって顕れたようなデザインだった。可愛らしいピンクや淡いすみれ色やエメラルドグリーンなど、色そのものは明るかったり甘かったりするのに、実のところちっとも甘くなんかないし、乾いている。そこが小説の「遠さ」「さみしさ」と呼応していて、素敵だった。
(余談だけれど、この「乾いた感じ+アイスクリーム売りの女の子」という組み合わせ、「空から降る一億の星」に出ていた柴咲コウさんを思い出す。長い爪でつまらなさそうにアイスクリームを差し出していた、世界と折り合いをつけられず、つねに居心地がわるそうだったあの子。)
それから、ヴァージニア・ウルフの言葉と、梶井照陰さんの写しとった波濤とが呼応しあう、とんでもなく生っぽい何かがその場で生まれては次々に胸に迫ってくる作品。息を詰めて見入った。

そしてそして・・・
いろいろな質問に、板尾さん(一応「芸人」という位置づけでの参加なのだけど、唯一無二の「板尾さん」としかいいようがない)と詩人の蜂飼耳さんと科学者の池内了さんが三者三様の答えを出してゆく特集!!
みなさん、ご自分の役回りを理解して、互いがくっきりと際だつよう職業の個性が前面に出るような回答をしていらっしゃるのだけれども、そのわかりやすさの向こうに個人の性質や美学も透けて見えて、でもそれすらも気遣いの範疇なのかもしれず・・・味わい深かった。みっつの頂点をもつ透き通った結晶が幾重にもかさなり、各層が絶え間なく運動していて全体の形や見えを変化させているイメージが浮かんだ。

板尾さんの回答はどれも驚くほど短く端的で、既成概念や言葉の意味をぺろんと裏返すような刺し込み具合で・・・むしろこれはなによりも「詩」なのでは、と思った。詩人の蜂飼さんは「詩人として文章で」回答したけれど、板尾さんは「詩で」答えている・・・どうしようもなく「詩になっちゃっている」感じ。
だってたとえばこんな具合。
「雪はどうして白い?」という質問に「仮に白い。」
「宇宙はどこまである?」に「自分のま後ろまで。」

(原文ママではなく、雰囲気です。ぜひ本誌で読んでみてください!)
・・・どれも、思わずこぼれた呟きのような平たさ・息継ぎの必要のないほどの短さなのに、身の毛がよだつような興奮を誘うのでした。「宇宙・・・」の答えは、眼に入った瞬間、自分の後頭部にぺたりと真夜中が貼りついたような・・・もしくは、後頭部がぽっかりと開いて暗い宇宙に明け渡されたような、酩酊感に酔わされました。他にも、「松ぼっくり」「コーヒーの香り」「ダイヤモンド」「夕暮れの空」などに対する答え、どれもすばらしかった〜!


疲れているとき、「真夜中」公式サイトにあるコンセプトを読むと、回復したり解き放たれたりする。

真夜中の星、写真は光、絵はともしび、デザインは夢。

このフレーズ、知った瞬間からずっと、心の奥に灯り続けている。

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